藤光選手へのインタビューPart.3は、「on the track-フォームの変遷-」。初めて日本選手権を制した2010年と現在とで、どのようにフォームが変わったかを解説してもらいます。世界陸上やダイヤモンドリーグなど、今年の主要レースについても、振り返ってもらいました。
ー高いレベルで安定した今期、ベストレースから教えてもらえますか。

ー日本歴代2位の20.13をマークされたレースですね。お話しあったように、リラックスして臨まれたレースだったんでしょうか。
ルツェルン国際200m。5レーンの藤光選手は、20.13(+0.6)の3位でフィニッシュ

メンツを見た時に、なんかすごいワクワクしたんですよ。ここをトップで行くくらいじゃないと、
ースタートで少しトラブルがありましたね。

ーブロックを蹴った瞬間ですか?

ーコーナー抜けたあたりではかなり前の方にいますね。

ー日本歴代2位というタイム。スタートさえ決まっていたら、あわや日本記録もという走りでした。もう、

ーありがとうございます。

今は脚の軌道を一段階前でさばくようにしていて、この時に比べたら脚の軌道は変わってきたと思います。やっぱり脚を流している分、少し前傾してしまいますし。そういうことが原因で、腰に違和感が出てしまったのだと思います。走りを変えるきっかけになったのは、正直ヘルニアがあったからというのもあります。2012年にヘルニアが発覚したのですが、思い返すと、自分の走り方だったり身体の使い方だったり、腰に負担がかかるような走り方をしていたなと思いますね。
腰に負担の掛からない走り方、痛みの出ない走り方というか、どう走ったら身体に負担なく効率良く走れるのかな、と試行錯誤しながら現在の走りにたどり着いたという感じですね。
2010年の日本選手権200m決勝のレース。6レーンの藤光選手は20.38(+1.2)で優勝を果たした。 キックした脚は現在よりも後方を通り、重心の真下に近い位置で接地している
ー一般的には後ろに脚が流れるというのは、ネガティブに捉えられることかと思います。

ーということは、現在の走りも、後ろに流れないようにしようと考えているわけではない、というこ

2015年日本選手権200m決勝のレース。4レーンの藤光選手は、20.32(+0.8)で5年ぶりの優勝を果たした。 キックした脚がスムーズに臀部に引きつけられ、前方で接地していることがわかる














内容的にはやっぱり、ルツェルンのレースなのかな、 と思いますね。