【竹田一平選手】インタビューPart.4 -off the track-

バージョン 2

インタビュー最終回は、オフの姿に迫るoff the track。好きな音楽や映画を熱く語っていただきました。表現者としての顔、という一面もうかがえます。
最後には、目前に迫った日本選手権への展望が語られます。


-トラックを離れた場面では、どんな時間の過ごし方をされているのでしょうか。

竹田選手
長い通学時間でほとんど消えます。あとは音楽を聴いたり、美術館に行ったり。知り合いに音楽を演っている人が多いので、いい音響がある友人の部屋に遊びに行ったり。高円寺が好きで。月に一回髪を切りに行った後は散歩しています。上野公園もフラッとするのが好きです。
-音響機材はいいものを揃えているんですか。
竹田選手
いえ、部屋ではヘッドフォンですね。音楽は通学時間中に聴くことが多いです。好きなのはレディオヘッド。なにかある度に聴いています。海外アーティストばかり聴くんですが、あまりパーティー的な音楽は得意ではないです。テンションが上がる曲も聴くんですけど、ベースは落ち着いた曲ですね。
それなら、EDMやフェスはあまり好まれないでしょうか。
竹田選手
疲れちゃうんです。車で流すにはいいんですが。オーテカってご存じですか。音楽になっていないような、2人組なんですけど好きで。あとはスクエアプッシャー、エイフェックス・ツインとかが好きで。ワープ・レコーズっていうレコード会社の人たちをずっと聴いています。
-没入感高い音楽ばかりですね。
竹田選手
自分が違う世界に連れて行かれるような音楽が好きなんです。
-日本のアーティストではいますか。
竹田選手
くるりを聴きます。あと、トリプルファイヤーっていうアーティストがいるんですが、とても個性的ですごいんですよ。
-美術館がお好きという話も出ましたが、最近行かれた展示会などは。
竹田選手
最近行けてないんですよ、若冲展は行きたかったんですけど。混みすぎで、諦めました。写真で観るとちょっと違うかなって思うんですよね。
他にも、友達が出展するといったら観に行ったり。
-映画はいかがですか。
竹田選手
昨日ちょうど届いんたですけど、「ファンタスティック・プラネット」っていう映画があるんです。1973年のフランスのアニメ映画で。色鉛筆で描いてあって、ちょっとずつずらしてアニメーションにしていくんです。製作に2年半くらいかかっていて、「進撃の巨人」の先駆けになったとも言われる作品です。でかい宇宙人が支配している世界なんですけど、そこでは人間がアリのような扱いを受けながら住んでいるんです。主人公が宇宙人から知識を得ていって、頭良くなっていって闘う、という話なんですけど、けっこう怖くて。全体的に暗いんですよ。音楽もプログレみたいな感じで流れていて、ほとんどセリフがなくて。6月にDVDが高画質で発売されて、(アジアジュニアが開かれていた)ベトナムから帰ってきて観ました。不気味な感じで、怖かったです。違う世界に連れて行ってくれる作品が好きです。でも、ディズニー作品とかも観ますよ(笑)。
-レース前には電気グルーヴなども聴くとうかがっていますが。
竹田選手
レース前はテンション上げないと、というのもあって聴きますね。あと、スパンク・ロックっていうアーティストも好きです。ヒップホップに近いんですけど、変わっていて。(レディオ・ヘッドの)トム・ヨークがそのアルバムを評価しているらしく、どんなだろうと聴いてみたら良くて、最近良く聴いています。けっこうアゲアゲなんですけど、ここ(トラック)で流したら、おそらく変えられてしまう(笑)。
-テンションを上げることは、レースにいい影響があるものでしょうか。
竹田選手
緊張症なので。あと、アップ中にレディオ・ヘッド聴いたらヤバイじゃないですか。落ち込んじゃう気がするので。イヤフォンしていれば話しかけられないですし。影響されやすいのがわかっていますし、テンションが下がってしまってはまずいですね。
-ご自身で、表現したいという気持ちはあるんでしょうか。
竹田選手
バンドをやっていました。電子楽器みたいのを演っていました。サンプラーいじって、ウェブドラムいじったりして、ライブ中は踊り狂っているだけなので、あいついなくていいんじゃないか、という感じでしたけど(笑)。その後、忙しくなってきたり、家庭のこともあって、辞めました。
-いまは表現に取り組むことはできていないんでしょうか。
竹田選手
画を描いています。でも、ほんとに上手くないのですが。
-写実性の高いものか、抽象的なものなのか。
竹田選手
 抽象的なものです。今度、グループ展に出すと思います。画廊やっている人と仲良くなって、やってみないかと誘われて。年に一回そのイベントがあって、去年も参加させてもらいました。画を描くのは疲れないじゃないですか。なのでいいかと思って。
-製作時間の確保は大変そうですね。
竹田選手
ヒマがあるときですね。今はなかなかヒマがないので、2ヶ月に一回とかになっちゃうんですけど。趣味程度でやっていればいいかなと。
-ファッションについてはいかがですか。
竹田選手
今日はジャージで来ちゃいました(笑)。高円寺が古着の街じゃないですか。おもしろいのがあったら買います。ブランドのこだわりはないですね。
-ファッションに関してのこだわりとかなにかありますか。
竹田選手
ヒップホップ的なかっこうはしないくらいで、興味があればいろいろ買いますね。上野にありますよね、ロックのTシャツばかり売っているような。


-日本選手権に向けて、どんな目標を設定されてらっしゃいますか。

竹田選手
自己ベストを出したいです。参加標準の10.16を切れたら切りたいですけど。全力を出した時に、前の自分より速かったら嬉しいじゃないですか。ちゃんと集中して、あわよくば参加標準を切って。順位はどうなるかわかんないですね。期待していただいている部分はすごく感じていて、リオ行けよ、とか言ってもらいますが、それもやっぱりあわよくばで。4年間ここに向けて調整した人たちがたくさんいて、その中で闘うとなったときに、勝ちます、ということを自信を持って言えるかと言ったら、そんな4年間は過ごしていないので。順位に関してはわからないですけど、自己ベストでいける準備はしています。今期はケンブリッジさんもいますし、怯えますよ(笑)。
-今期、素晴らしい記録がたくさん出ています。それはどのように見ていらっしゃいますか。
竹田選手
出すべき人が出すべくして出している、と感じています。自分は、焦る段階にもいないと思っているので、すごいなと思っているだけで。負けてらんない、とは思わないです。自分はそんなレベルではないと思うので。ただ、一発逆転したら気持ちいいのは知っているので、自己ベストを出したらなにか起きるんじゃないのかと。「10.16を切って3位以内に入ります!」とか言えたらいいんですけどね。ほんとどうなるかわからないです。ピストル鳴ってみないと。とりあえず全力を尽くすと。あとは一発屋とは言われたくない、っていうそれくらいですね。
-日本選手権までのご自身の体調、メンタルはいかがでしょうか。
竹田選手
アジアジュニアから帰ってきて休んでいました。ちょうど今日から動き始めたくらいで、今の段階では調子いいです。基本に忠実に、舞い上がってメニューを変えることなどはせずに。前のように、などと考えずに、常に進歩していかなきゃとは思うので。やっぱり周りを意識する時期だと思うんですよ。山縣選手が10.06を出したりとか。でも、気にしていたら自分は保たないので、今は前日の自分よりもちょっとでも速ければ、ちょっとでも成長できれば。冬季から変わらないスタンスなので、このままやっていこうと思います。
-史上最高レベルにある100m、日本選手権での竹田選手の快走を期待しています。今日は本当にありがとうございました。
竹田選手
ありがとうございました。

オフの話をする竹田選手からは、好きな音楽や映画の話題がとめどなくあふれていました。挙げられたアーティストや作品には、独特な感性があります。経歴や競技観でも垣間見られた見られたユニークさとともに、竹田選手自身の強烈な個性が感じられました。
日本選手権に向けての展望は、一見すると控え目。しかし、自らができることに集中しきっているからこその言葉、と感じました。自らのレーンのみを見据えて駆け抜けた時、竹田選手が手にしているものとはー。日進月歩の進化を続けるスプリント界の新星から、目が離せません。
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