多くのトップアスリートとも交流がある桐生選手。五輪後には一層その接点も増した様子。トラック外での姿にフォーカスをあてます。同チームのウォルシュ・ジュリアン選手についても語ってもらいました。そして、二人を中心に東洋大学が挑む2017年シーズンの野望。桐生選手個人の目標とともに、お話いただきました。
–オリンピック後の桐生選手の変化について、陸上から離れた部分でもお聞きできればと思っています。多くのトップアスリートと接点をもたれた機会が多かったんじゃないでしょうか。テニスの錦織圭選手であったり、プロ野球の松井裕樹選手、そういった選手と一緒になる機会が多かったかと思います。影響を受けた部分はありますか?

-錦織選手の試合も観戦に行かれてましたよね。その時が初めてだったんですか?

-実際にお二人でお会いしているときは、競技の話というのはそんなにはされないんでしょうか? -周りが勝手にイメージするような、アスリート同士で刺激しあってというような関係とは、少し違うような感じだったりするんでしょうか? -アスリートというところで同じチームに400mリオ五輪代表のウォルシュ・ジュリアン選手がいます。昨年急成長されましたが、ウォルシュ選手の優れている点は桐生選手にはどのように映ってらっしゃいますか? -練習パートナーとしても非常にいい関係が築けているということですね。 -(笑) -少しウェイトトレーニングをやり過ぎだ、という話があったりするんですよね。 -ロングスプリントの選手の中でも際立った肉体になってますもんね。 -オフシーズンも多忙だったと思うんですけども、昨年は好きなアーティストのライブに行ってみたい、といった希望を持たれていました。なかなかそういった時間もとれなかったでしょうか。 -そういった中でご自身の気持ちがリラックスできないような瞬間を感じられることなどはあったりしましたか? -ご自身で目標とされる結果を出された時は、記念に時計を買っていきたい、というお話がありました。今回はリオ五輪での結果を受けて記念に買われたんでしょうか? -コレクションの中では何個目の時計になったんですか? -次に買われるタイミングとなると、大台の記録か、世界選手権での結果、というところでしょうか。
ウォルシュ選手といえば、筋骨隆々な肉体が印象的です。ああいう肉体を見て何か参考にされる部分というのはありますか?
-では今シーズンの目標について聞かせてください。記録なのか、結果なのか、それともご自身の中で目指される何かなのか、お話しいただけますか。

-桐生選手ご自身の発言で、「今は国内でも自分が追っていく立場にもなってきている」という話がありました。国内で勝つこと自体、凄く難しくなってきていると思いますが、日本選手権で戦っていくライバルに対して何か意識される部分はありますか?

-向き合われているのご自身だけ、ということですね。

-目標タイムに関しても、はっきり何秒というのを持たれているわけではない、ということなんでしょうか? -200mの自己ベストでいくと、ちょっと更新するだけでは全然物足りないんじゃないかと想像しています。ケンブリッジ選手も今季参戦してくるかもしれませんし、飯塚選手がいます。さらに激戦になる200mでの代表を意識されてらっしゃいますか?
-単純に100m10.01を2倍したら日本記録(20.03)を超えるタイムとなりますね。 -もしかしたら、昨年の日本インカレのように4×400mRに桐生選手が登場する可能性も? -(笑)。ロングスプリント陣も充実してますよね。 -桐生選手の400mのレースで印象的なのは、高校3年で出場して加藤修也(早稲田大・当時浜名高3年)選手と一緒に走られた2013年のエコパのレースです。加藤選手が45.69、桐生選手は47.41でした。あの時に比べるとインカレのレースではしっかり対応されてらっしゃったと思いました。 -なるほど(笑)。 -もしご自身の体力的に余裕があり、メンバーに不測の事態があった場合、スクランブルでの出場となってくるでしょうか。 -桐生選手が4×400mRに出走しないで済む状態であった時には、東洋大の短距離全種目制覇が近づいている状況かもしれませんね。 それでは最後の質問です。桐生選手は9秒台を一番に出したいですか?それとも一番速いタイムを最終的に出していたいですか? -海外のレースかもしれませんし、シーズン序盤の織田記念かもしれないですし、素晴らしい結果を出されることを非常に楽しみにしております。今日はありがとうございました。 1年ぶりにお会いした桐生選手。ひと目見て、上半身が大きくなっていることに驚きました。肩から首にかけて、たくましさを増した肉体。”現役最速”はまだまだ進化の途中にあることを実感しました。
そして桐生選手は4月になると最終学年をむかえます。大学生としての最後の一年、東洋大学の一員として目指していることは、ありますか?
一方で、お話される際の桐生選手は、昨年と同じような印象です。リオ五輪後の大フィーバーを経ても、自然体そのもの。おごりも気負いも感じられません。見据える先はさらなる高み。2020年に向けた最初のシーズンのチャレンジが始まりました。
桐生選手、取材へのご協力、ありがとうございました!